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◆世界が注目するニームの木(ニームオイル)◆
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ニ−ムは植物学上ではアザディラクタ・インデカ(Azadirachta Indica A
Juss)と呼ばれる東南アジア、アフリカ、中南米などの熱帯地域に広く分布する樹木です。
インドではニームの木は神様からの贈り物として、数千年にわたって崇められていました。昔から「村の薬局」と称されるほどその用途は多彩で、アーユルベーダの時代からニームの小枝は歯ブラシとして、ニームの葉(ニームリーフ)は虫刺されや皮膚病の薬として重宝され、ニームの葉(ニームリーフ)を煎じて健康のためにお茶にして飲まれていました。さらには、ニームを経典や神仏具、穀物や衣等を害虫から守ために利用されていました。
ニームの木の虫への効果が世界的に注目されるようになったのは、1959年のアフリカでのイナゴの大発生がきっかけでした。このとき、イナゴによって全ての樹々が食い荒らされましたが、唯一襲撃を受けることなく葉が残った樹がありました。現場に遭遇したドイツの昆虫学者は、この残された樹がニームの木であることを発見したのでした。以来、ニームの木の効果が世界的に評価されるようになったのです。
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◆安全が確認されたニームオイル・アザジラクチン◆
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米国農務省は、ニームが飛翔昆虫・貯穀昆虫など200種以上(世界では約600種といわれています)の昆虫に効果があると発表しています。ニームは、複数の有効成分の混合物なので、化学殺虫剤に多く見られる単一有効成分剤と異なり、昆虫に対する作用は複雑で耐性がつき難く、昆虫のあらゆる発育形態に作用します。さらに、ニームは天然であることから生分解性も高く環境にもやさしいとされています。
※厚生労働省は、食品中に残留する農薬などのポジティブリスト制度の導入にあたり、平成17年11月29日公布「食品衛生法第十一条第三項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質」(平成17年厚生労働省告示第498号)にニームオイル及び活性成分アザジラクチンが人体に無害であること公示されました。 参考HP:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu2/dl/051129-1b.pdf
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◆ニーム生成物◆
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ニームの木は1月〜4月頃にかけて白い甘い香りの小さな花を咲かせます。7月〜9月頃には楕円形でオリーブの実に似た果実を実らせます。この果実の中にある種子を割って仁を取り出し、絞ったオイルをニームオイルと称します。このニームオイルには多くの活性成分が含まれています。
ニームオイルを抽出した種子の残渣をニームケーキと称し、肥料として使われています。
さらに、仁から油分を取り除き有効成分を抽出して粉末化したものをニーム抽出粉末(アザジラクチン高含有)と称します。
ニームは種子以外に、ニームの葉(ニームリーフ)・ニームの樹皮なども多くの有効成分を有しています。
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◆ニームのアザジラクチン・アザディラクチン◆
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ニ−ムは、昆虫に対し生理活性を示す多くの成分が含まれています。中でもアザジラクチンは昆虫の変態を阻害します。
アザジラクチンは、厚生省の食品衛生法・ポジティブリストにおいて「人の健康を損なうおそれがない物質」として指定されています。※詳細(厚生労働省) アメリカ環境保護局(EPA)でもその安全性は認められています。アザジラクチンは、昆虫が摂食することで活性を示し、孵化阻害・羽化阻害・変態阻害を生じさせます。アザジラクチンの作用は遅効性で緩やかですが、確実に効果を発揮します。ニームには、構造の異なる数種のアザジラクチンと複数の活性成分が含まれているので、昆虫の耐性がつき難くいメリットもあります。さらに、天然のアザジラクチンは生分解性も高く環境にもやさしいとされています。今後、人と環境にやさしいニームの害虫駆除剤(防疫用殺虫剤・農薬)が期待されています。 |
◆ニーム・ニームオイルの主な有効成分◆
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●アザジラクチン(azadirachtin)
ニームオイルの代表的な活性成分です。アザジラクチンは、構造が異なる数種のアザジラクチンが発見されています。アザジラクチンは、昆虫の脱皮・変態ホルモン「エクダイソン」に構造が似ていている為、昆虫の変態プロセスを抑制・阻害します。摂食抑制の効果もあり、昆虫の摂食を制御・抑制と退去行動が特徴です。
●サランニン(salannin)
アザジラクチンと同じリモノイド(柑橘系の苦味)に分類される物質です。強力な拒食物質です。
●ニンビンとニンビディン(nimbin・nimbidin)
殺菌力が強く、抗ウィルスに有効といわれています。
●その他
メリアントリオール、ディアセチルアザヂラクチノール、3−ディアセチルサランニン、サランオール他、多くの微量活性成分がニームオイルから発見されています。
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◆ニーム・ニームオイルの昆虫への作用◆ |
米国農務省は、ニームが飛翔昆虫・貯穀昆虫など200種以上(世界では約600種といわれています)の昆虫に効果があると発表しています。ニームは、複数の有効成分の混合物なので、化学殺虫剤に多く見られる単一有効成分剤と異なり、昆虫に対する作用は複雑で耐性がつき難く、昆虫のあらゆる発育形態に作用します。
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種目等 |
害 虫 |
作 用 |
直翅目 |
イナゴ、バッタ、コオロギ、セミ等 |
拒食等 |
半翅目 |
カメムシ、コナジラミ、アブラムシ、カイガラムシ等 |
拒食・成長抑制等 |
総翅目 |
アザミウマ、スリップス等 |
幼虫の防除等 |
鱗翅目 |
コナガ、イラガ、メイガ、ヨトウムシ等 |
拒食・成長抑制等 |
鞘翅目 |
コクゾウムシ、ハムシ、ゾウムシ等 |
拒食・成長抑制等・甲殻の脆弱化等 |
双翅目 |
蚊、馬バエ、ツノサシバエ、イエバエ等 |
拒食・成長抑制等 |
膜翅目 |
ハバチ、アリ等 |
拒食・成長抑制等 |
線形動物 |
ネマト−デ等 |
拒食・成長抑制等 |
軟体動物 |
カタツムリ、ナメクジ等 |
拒食・成長抑制等 |
蜘蛛綱 |
ハダニ、紅ハダニ等 |
拒食・成長抑制等 |
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※U.S. Department of Agriculture, Agricultural Research Services, orist and Nursery Crops Laboratory
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◆ニーム・ニームオイル防虫資材の有用性◆
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ニームは効果が遅効性であることもあり、早急な期待は避けるべきです。神経毒性殺虫剤などにみられる即効性の期待は避け、ニームの能力を最大限に引き出すためにの定期的・継続的な使用が不可欠です。
ニームは昆虫が発生してから使用するのではなく、虫が発生しないようにを使用すること、ニームを定期的・継続的に使用することで、虫の生態サイクルを断ち切り虫のいない(少ない)環境を作り出すことが出来ます。ニームは、昆虫の耐性が付き難いこともあり継続使用による弊害もさけられます。
ニーム防虫資材の、安全かつ多種の昆虫に対する効果性は、これからの防虫資材として大いに期待されています。
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◆ニーム(neem)の虫の駆除剤 ナチュレリキッド◆
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ナチュレリキッドは、不快害虫用の防虫資剤(不快害虫防除剤)として開発しました。ナチュレリキッドは、有効成分を植物から抽出(ハーブ)した植物起源の不快害虫用の天然防除剤です。主成分はニームの木(インドセンダン)の種子から抽出したニーム抽出物です。ナチュレリキッドは、このニーム抽出物(アザジラクチン)を主成分に、目的・使用方法にあった数種類の植物の抽出物を配合した不快害虫用の天然の防虫剤・虫の駆除剤です。
※注:ナチュレリキッドは農薬ではありませんので、農薬としてのご使用はできません。
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